心～保健室の先生と私～

「ここって、心臓？」


「バーカ。心だよ」


「ねー先生。いいこと教えてあげる」


私は出口に向かいながら、先生に話しかけた。


「なんだよ」


「心が楽になってもね、なんの解決にもならないんだよ？」


「どーゆー意味だよ？」


私はドアに手をかけて。


先生の方を、振り返った。


「根本的な問題が解決しない限り、心は楽にならないってこと」


「石川、やっぱなんか・・・」


「じゃあね、佐野先生。また明日も遊びに来てあげる」


笑顔でそう言って、保健室を出てきた。


そう。


心が楽に、軽くなったって。