「うるさい。最初の出会いが最悪だったから、余計に緊張してんだよ」


「早く入ろうよ。寒い」


ほんの数分しか外に出てないのに、手がかじかんできた。


「わかった。入る」


そう言った先生の顔は、ちょっと引きつってた。


「顔変」


俺の顔を見て、愛花がケラケラ笑った。


「じゃ、開けるよ?」


「ああ」


先生は、眼鏡を押し上げた。


「では、どうぞ」


私は思いっきり、玄関を開けた。


「おじゃまします」


緊張と寒さから?


声まで震えてるし。