先生は私を抱きしめた。


「ちゃんと病院行って、診てもらえよ?」


「うん」


「それから、お父さんのことはゆっくりな」


「うん」


「たぶん、お父さんも混乱してると思うよ。仕事から帰ったら、娘の部屋に知らない男が居たんだからさ。わかるだろ?」


「うん」


わかる。


急にこんな場面に遭遇するとは思わないもん、普通。


「俺、帰るから」


「うん」


「電話するから」


「ありがと」


先生は私の頬にキスをしてくと。


家に帰って行った。