「おはよう」


目を開けると、佐野先生のどアップ。


「先生、顔近いです」


そう言って、先生の肩を押した。


佐野先生は、自分の机に戻って行った。


「石川、怖い夢でも見たのか?」


「えっ?」


「泣いてたから」


顔を触ると、冷たい涙。


「見ました」


「どんな?」


佐野先生が、椅子をくるっと回して私の方を見た。


「宇宙人に連れてかれる夢」


「なんだそれ」


先生は、苦笑した。