心~保健室の先生と私~

「うん。親が喧嘩してるときは、私いつもイライラしてた」


「うん」


「で、心葉連れ出して。一緒に笑って、心に元気貯めて帰るの」


愛花は、少しだけそのときを懐かしむように話してた。


「だから、一緒かなって。狭いところに閉じ込められてる魚と」


親が喧嘩してるときの家は、心がぎゅってしめつけられて。


まるで、牢屋に閉じ込められてるみたいだった。


だから、心葉を連れて外に出た。


そうすると、自然に呼吸ができた。


「じゃあ水族館じゃなくて、愛花は海に潜って魚見た方がいいんじゃないか?」


「でも、水族館がいいの」


「わけわかんね」


「私も何言ってるか、わかんなくなってきた」


二人して笑った。


しばらくすると、家から一番近くの水族館に着いた。