そんなお父さんを見てると、笑いがこみあげてきた。


「何笑ってんだ、愛花」


「なんでもない」


私は思いっきり、水を出した。


夏の暑さに、水道の水はとても気持ち良かった。


「愛花、いってくるから」


「いってらっしゃい」


「昼は適当にやって」


「わかってる。ついでに、夕ごはんも作るから気にしなくていいよ」


「出来るか?」


「お父さんよりは出来るよ」


「そっか」


お父さんは笑いながら、家を出て行った。


お父さんと二人。


大丈夫なような気がした。