ぐっと、泣くのを我慢してる声だった。


「どうして、好きで結婚したのに、別れなくちゃいけないの?」


一生一緒に居るって。


約束したんじゃないの?


なのに、どうして?


「先生、教えて」


「どこかで、歯車が狂ったんだよ」


「狂ったら、元には戻らないの?」


「それは・・・」


「はいそうですかって、別れたかったら別れてくださいって。私、そんなこと言えないよ」


つーっと、石川の頬に涙が流れた。


「先生、私まだ子供なの。そんなに簡単に、離婚なんて認められない」


「石川」


「わがまま?私は親を、縛り付けてる?」


「わがままなんかじゃない」