「だったら、IH狙える高校に行けば良かっただろ?何でここにしたんだよ」
「男バスだって、IHに行ける実力かどうか・・・ふがっ」

敏男が口を挟んだ瞬間、和也はぎょっとして、敏男の口を塞いで、敏男に周りを見ろ、と目配せをした。
見れば先輩達がこちらを見ている。その中の一人が、和也達の方へ歩み寄った。
和也達は思わず、びしっと気をつけの体勢になった。

「お前ら今年入部の1年か?」
「は、はいっ!」
「随分、生意気な事言うじゃないか」

和也にそう言うなり、彼は部員の一人に左手を上げ、ボールをよこせと合図した。