美海以外の女であんなに話しやすくていい奴って思えたのは田中が初めてだった 今こうやって美海のところへ行こうとしているのだって田中のおかげだし 今度改めてお礼言わないとな 鞄を片手に走って やっとついたのが美海の家の前 インターホンの前で少し息をのんで ボタンを押そうとしたそのときだった 「まあ、元気でたみたいでよかった」 俺が好きと言えないあいつの声 「海君のおかげだよ」 そんな奴に優しく答えたのは美海だった