「あぁ。いるよ。」



「男バスのマネの美海ちゃんだよね?可愛い子だよね?」



「まあな。ただ馬鹿なやつなんだよな~」



俺がそう呟くと
田中はそっと俺の方へ顔を向けた



「そんなところも可愛いんでしょ?いいな、幸せだね。隼人君みたいな彼氏がいる美海ちゃんは」



口元だけ小さく笑う田中の顔は
なんだか 
なんて言うか
切なかった


「俺なんてだめだ。あいつの気持ち全くわかってやれないし。今日だって怒らしちまったし」



「何で?」



「わかんねえんだよ。多分今日一緒に帰れなかったからだと思うんだけど、大会近いしどうしたらいいかわかんねえ・・・な?いい彼氏じゃねえだろ?」