「どこか悪いのか?」

と続けて訊いてきた。

「ううん、全然」

それにも否定して横に振るあたしの首筋に、ジンの右手が触れる。

その冷やりとした手と彼が触れた感覚に、思わず固まってしまう。

けれど、その手はすぐに首から離れ、次にあたしの左手首を強く掴んだ。

あたしの左手首を掴んだまま、少し手を捻って自分の手首の時計に視線を落とす。