「……データをもらっても、前の時と同様、キミにとって危険だと判断すれば削除する事になる」

ジンの暗い色の瞳。

あたしは、身体を少し起こすと、ソファの背凭れに手を伸ばした。

「あたし、そんなにバカじゃないんだよ?」

ソファの背凭れに置かれた、ジンのジャケットの上にある、黒いネクタイ。