「これって、ホントに痛くないの?」

「ああ、全く痛みはない」

あたしが声をかけるとこんな風に即答してくれる。

けど、視線は床に落としたまま。

「でも、眉間に皺寄ってるし、何か辛そうだよ?」

「気のせいだ」

「でも、でも……」

両手で包むように擦る。

痛むのなら、その痛みが少しでも和らぐように。

すると、深く溜息を吐き出し、やっとあたしの方へ顔を向けてくれた。