怖い。 このジンの姿で、まるっきり別人だったら……。 「『リッカ』でよろしいですか?」 起動プログラムのジンに急き立てられ、あたしは期待と不安に高鳴る胸を押さえて頷いた。 「は……い……」 「それでは、ごゆっくりお楽しみ下さい」 起動プログラムのジンは、本当にロボットのような何の温か味も無い口調でこう告げ、紅い眼を閉じた。