「あたしを守るために、あたしとの思い出まで壊すの?」

「必要であり、出来うる状況にあるなら」

ジンが迷いもなく答える。

「辛かったり、寂しいと思ったりしなかったの?」

「感情は全てプログラムだ。最優先事項の為に切り捨てるのは当然だ」

「思い出も自分の頭の中のプログラムの一部なのに……」

「あの時点ですでに別のプログラムが破損していた。再生出来ないのなら、他のプログラムが壊れても支障は無い」