「目が死んでるんですけど」

そりゃそうだろ。ああ、そういえば・・

「お願いだから、もう私を人質とかにしないでね・・・」

「しないっつの!」

思い出せば鮮明に蘇る、灰色の記憶。
私の中学校3年間、ずっと夏喜と一緒のクラスだったお陰で実にデンジャラスな
経験をすることが、でき、まして・・・はは。ヤクザの人質になったときには
脳髄に何度も家族、友達、そして何故か最後に近所の森田さんちのおばさんの顔が走馬灯のように再生されたぐらいだ。


「あのときは悪いって思ってるよ、だから、私・・・」


「夏喜・・・」


「絶対莉恵を護るから!」

人に護るといわれてこれほどまでに命の危険を感じたのは初めてだ。
私は、もう危険に晒される前提で今生きてるってことですよね!夏喜サン!!


「あ、あははは、ありがとうございます!」


「いえいえ!」


私の高校生活、も、デンジャラスになりそうです。