合格発表から数日。
季節は春――
私はクラス発表の掲示板から
自分の名前を探していた。

2:『再開』


「クラス一緒だ!」


もう見つけ出したのか。早いなあ。私はいまだ自分の名前すら見つけられなかったのに!(なんか悔しい)


「これで莉恵とエンジョイできるねーふふ」

夏喜が私の手を握り締めて無邪気に笑った。その言葉が私のピュアな心に突き刺さる。

「もう男子殴ったりしないでね」

中学の夏。夏喜は柄の悪い男子を思いっきり叩きのめしていた。

「な!失礼だなあ!」

「お願いだから、もうクラス仕切るのやめてね」

気が付けば夏喜は、クラスの組長となりすべての権力を持ち構えていた。(いつの間にか私は『香川夏喜の羅生門』と呼ばれていた)