ゲラゲラ笑いながら喫茶店にたどり着いた私たちは、まず第一に店内にいたお客様方に一瞬凝視された。無言で視線を逸らされたときは何だか何か大切なモノを、失ったような気がした。夏喜も同じ心境に迷い込んでいたのだろう。いきなり真剣な顔つきになって咳払い。私もそれに合わせて咳払い。何事もなかったかの様に、私たちは窓辺の席に座った。向かいの夏喜は、「あのさ」と小さな声で言い出した。きっとの事だろうと思うと顔がニヤけてしまう自分は相当変態なんだなあと思ったそして、私たちは高校合格したことなんてすっかり忘れて、日が暮れるまでイケメンについて語った。