あまりの虚しさと置いてかれた悲しさで、家族を探す気力がなくなった。


どうせ、待てばやって来るんでしょ?


「……もどろ」


その時、ザワザワと葉が揺れた。


穏やかな風だった。


…ここがこれから暮らす場所なのだろうか。


………。


「……ん?」


さっきの風で流れてきたのか、何冊もノートが地面に散らばっていた。


「気味悪……」


一冊、手に取ってみた。


パラパラとめくってみるが、何も書いてない。


「何これ」


最後のページで、やっと文章が書いてあった。


"貴方のために生きることができないのは、私が弱いから"


「………。」


"触れた瞬間に、心が満たされた。離れた瞬間に、心が虚しくなった。"


……詩?


"貴方のために生きることができたなら、私は…"


……ここまで書いてあった。