「もうすぐ千早も高2なんだから、勉強ちゃんとしてよね」


「わかってるって」


「そう言っていつまでたってもやらないんだから」


「………」


とりあえず、不幸が始まることは確かだ。





………。


…あれ。


もう着いたのかな。


いつのまにか寝ていたのか、目が覚めた。


車が停まっている。


車内には誰もいない。


…何で置いてくんだろ。

車から出ようとして、ドアに手をかけた。


…なかなか開かない。


「……くっ……!」


ガタッ


「……開いた……!」


さっさと車内から出て、辺りを見回した。


「………?」


誰もいない。


しかも、崖……。


ここ道路じゃん。


「ちょ…何処よここ!」