よく晴れた空が苦しいほど青い。


初めて見たその青さに、少し憂鬱を感じた。


眩しい。


「ほら、千早、はやく」


「わかってるってば」


母に急かされ、車に乗り込む。


…さようなら青木町。


…さようなら私の青春。


明日から、いや、もうこの時から、私の青春は終わった。


父の転勤で引っ越すことになってしまった。


親友とも離れ、彼氏とも別れを切り出され、生きてきた中で今一番最悪だ。


「ホントついてない…」


車内で、思いきりため息をついた。