『何でございましょう?』
努めて冷静に言った俺に、腕を掴んだ女は顔を赤く染めた。
「あ、あの!
この後って時間ありますか!?」
いきなりデカイ声を出したかと思うと、その女は上目遣いで俺を見てきた。
―普通の男なら守ってやりたくなるような女なんだろうけど、俺は雪波一筋だ。
『…申し訳ありません。私は仕事が有りますので…。』
優しく断った俺に、女は更に顔を赤くした。
「待ってます!
メアドだけでも教えてもらえませんかッ?」
『(しつこい女だな。)』
『……~ッ』
「スミマセンー!
そこの執事さんッ!」
―俺が何か言おうと口を開いた時―
聞き慣れた声が遮った。



