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「はっるぅー!!」
文化祭の係り決めも終わり、帰ろうとした俺の後ろから女みたいな声をだした奴が声を掛けてきた。
『泰牙…。キモいからやめろ。』
「相変わらずひでーなー、春は。」
そう、俺に話し掛けて来たのは、同じクラスの山本泰牙だ。
「ほらほら!
執事がそんな顔しちゃダメだろー!」
―……こいつ…、絶対わざとだ。
『それを言うなよ…。ていうか、お前も執事だろ?』
泰牙も顔がいいからという理由で執事役に抜擢された。
「俺はいーいんだよッ!春はモテるよなぁ?」
『うっせ。』
「泰牙、春がキレるぞ。」
いきなり聞こえてきた聞き慣れた声に、俺は後ろを振り返った。
『圭…。』
こいつは橋田圭〈ハシダケイ〉。
俺は最近、この二人とよく居る。
圭は泰牙と対称的に見た目はオレンジ色の髪が印象的だけど、いつも冷静で泰牙とはいいコンビだ。



