――あれから何分たっただろう?
春は戻ってこない。
「(春に愛想尽かされた…?)」
そんな不安が心を過った。
そのとき、何故か涙が出そうになった。
何でだろう?
今までの私ならこんな事では泣かなかったはずなのに…。
この時、改めて春の存在の大きさに気付いた。
「ねぇねぇ、君可愛いねッ!」
「一人?俺等と遊ばない?」
そのとき、いつの間に来たのだろうか、二人の男が私の目の前に立って話しかけてきた。
見るからに軽そうな人達だ。
「…」
私は無視を決め込んで歩き出した。
しかし、そんなに甘くはなく、
ガシッ
私は男の一人に腕を掴まれた。



