拓巳のクラスに向かった。

ガラッ

男子達が騒ぎだしてその内の1人が寄ってきた。


「野瀬さん、拓巳に用事だよね??呼んでくるよ」
ニヤニヤしながら話しかけてくる…。


「あ、うん。ありがとう」
あたしがそう言うと顔をポッと赤くして拓巳をよんできてくれた。


その男子はみんなから「お前だけずりぃー!!」と言われて叩かれていた。


…何がずるいんだろ?
親切に呼んでくれたのに…





「どうした??」

目の前にはいつの間にか拓巳が立っていた。




「今日の放課後話しあるんだけど…空いてる?」


「うん」
少し嬉しそうに返事をする拓巳に胸がチクリと痛んだ。


「…じゃあ放課後ね…」


あたしは教室をあとにした。


…ごめんね、拓巳…。


こんな彼女で…。


拓巳…傷つくよね?


…でも悠斗が好きなんだ。


…今日、あなたに別れを告げます。