つるっ
ずってーーーん!!!!

長い廊下を体育館へと急いでいると急に足を滑らせて視界が反転した。

「いったぁ…!!」


「またなんもねぇ所で転んでるし…」
はぁ…と上から呆れたように見下ろして溜め息をつく拓巳。


「…うぅ」
つい痛さと拓巳の冷たい一言に涙目になる私。

ひどいょ…。溜め息つくなんて…
助けてくれてもいーじゃんかぁ…

そう、私は超がつくほど鈍臭い。
運動も苦手。転ぶのなんか日常茶飯事。
自分でも嫌になる。

尻もちをついて廊下にうずくまってると

「ほら、行くぞ?」
スタスタと行ってしまう拓巳。

「わわっ待って!」
私は急いでスカートのゴミをはたくと拓巳の背中を追いかけた。