助けてほしいともがいて絡んで

泣いて叫んで

戸惑って悲しんで

次第に殺意が芽生えてくる。

それは両者にとってプラスかマイナスか

どちらかと言えばマイナスなのか

偽りの絆で深く結ばれあえばプラスなのか


私には当分理解できそうにない。





「唯ってさー、性格悪くない?あたし駄目なんだけど」

「あたしも前々からそう思ってたんだよねー」

「ねぇ?加奈もそう思うよね?」

「思うー!最近スゲーいきがってる気ィすんだけど」


ほら見ろ。
たったその一言だけでも友情は壊れていくものだ。

たったわずかな欠点でさえも
次第に大きくなっていく。

その人の光を消したのは
その人の欠点でもなんでもなく

私達。


「加奈も唯にこの前色々言われてなかったー?」

「あぁ、めっちゃパシられたんだけどー」


林葉加奈。中学二年生。
何処にでもいそうな平凡な顔。
平凡な性格。平凡な頭。

つまらない人。

いつも中間な私の周りには運が良いことに何故か人が集まってくる。

それは私いとって「特別」な存在が無いからなのかもしれない。
ほら、私には親友とかそういうのいないから。

皆平等に接しているから人が来るのかもしれない。


「うわッ加奈可哀想ー!ねえ皆でシカトしない?」
「賛成ー!ね、加奈。シカトしちゃおーよ」
「もち賛成っすー!」


こうしてまた一人涙を流す人がいて
それを作ったのが自分だと思うと
自分が凄く怖い凶器に見えた。