虫の声が響く頃
ショウタと並んでフェンスに寄りかかる


お互い何も言わない
お互い何も言えない

何でこんな風になってしまったんだろう

私は言わなきゃいけない
口を開かなきゃいけない

「ショウタ」
「ん?」
「私達が最初に逢った季節だね…覚えてる?」
「忘れるわけないだろ」
ポツリと言う

「そっ…か」
あれ、頬が温かい…