「だってさ、乱舞龍の走りの情報聞いたところで何になる?」 「えっ…と、乱舞龍潰すため?」 「んー、そりゃ、乱舞龍が走る時に仕掛けてきたら一気に潰せるかもしれないよねぇ」 「じゃあやっぱり…――」 「違うね」 雅はあたしが言い終わる前に否定した。 「狂犬は結構前から乱舞龍の情報探って繁華街に来たり、乱舞龍の奴らがいそうなところをマークしたりしてた」 「うん…」 「いつでも手は出せたはずだ。だからわざわざ走りの時を狙って、なんて邪魔くさい事はしない」 「じゃあ……」 「他に理由があった」