0時43分


「羽流ちゃん?」

雅がびっくりしたような顔であたしの方を見る。


「あたしが…あたしが銀次の……」


そうだ…あたしが承諾しなかったから…だから銀次はあの時「交渉決裂」って言葉を口にしたんだ……


「羽流ちゃん!!ちゃんと俺を見て。大丈夫。一回深呼吸して」

雅はあたしの肩をがっちり掴んだ。

あたしは言われた通り、フゥーと深呼吸をし、気持ちを落ち着かせ、銀次に言われた事を雅に話した。


「でも、それでもやっぱりおかしい」

「…雅?」

雅は右手を顎の方に持って行き、考える人のポーズをとった。