「……何…で?」 あたしは雅にその質問の意味を問う。 「狂犬が動き出した」 「えっ…?…狂犬……」 あたしは唖然として雅の顔を見る。その態度が墓穴を掘った。 「今日何か変わった事なかった?」 さっきとは違う低い声で、しかも雅の目付きはあの怖い目付きだ。 「…今日は、」 あたしは今日銀次と接触した事、銀次に言われた事を正直に話した。 ただ、5歳の時に会っていた事、首を絞められた事は言わなかった。