0時43分




「おい」



頭上から聞こえてきた声に俯いたままの顔を上げると、そこには1人男の子が立っていた。



「誰?」

あたしより1つか2つ上の男の子は、無表情で狐のように切れ長の目をしていた。



「銀次」

そう言うと男の子はあたしの自転車を立たせた。


「乗れよ」

「…でも……」

「後ろ持っててやるよ」