龍平は言葉が少ない代わりに、こうやって抱きしめてくれる。温もりをくれる。それは言葉よりも嬉しくて心地良い。きっと龍平だから思える事。 どのくらいこうしていたんだろう。あたしたちは雅と虎太郎の声でスッと離れた。 「何やねん。真っ暗やないかぁ」 パチッと電気のスイッチが入れられる。 「おわッ!!おったんかい」 虎太郎がびっくりしてあたしたちを見る。 「何で電気点けてなかったの?」 「外が綺麗だったから」 「そっか」 雅はあたしの頭を撫で、お風呂に入ると行ってリビングを出た。