その日、俺は兄貴の引退暴走に連れて行かれた。 「よう」 兄貴と顔合わすのは何年振りか… 「お前、乱舞龍に入れ。ここなら飛べる」 それだけ言うと、兄貴は真っ黒の特攻服を身に纏い、バイクに跨った。 俺は虎太郎のバイクの後ろに乗せられた。 乱舞龍の数はすごかった。 「恭さんはコイツら全員の命預かってるんよ。それが乱舞龍総長の使命。そんな兄貴がおるお前は、胸張ってええと思う。今日はようその目に焼き付けとき」