「はぁ…」
乙女はため息をついた。次の日も乙女は尚輝と自分の分のお弁当を作って持って学校に来た。
『今頃どうせあの子が尚輝くんにお弁当渡して一緒に楽しーく!お弁当食べてるんだろうな…』
その時ちょうど楽しそうな声が聞こえてきた。
乙女はどうせ尚輝と昨日楽しそうに話してた女の子と尚輝がお弁当でも食べてるんだろうな…と思った。でも、ちがってほしかった。
そして声がする方を向いた。
そこにいたのは、乙女の期待を裏切ってやっぱりあの2人が楽しそうにおしゃべりしながらお弁当を食べていた。
「はぁ…」
乙女は再びため息をついた。
そこへ乙葉がやってきた。
「あれ?尚輝くんにお弁当渡さないの?変なの…」
「…あれ見てよ…」
乙女は指差した。
乙葉はそちらを向いた。
「うわ…すごい楽しそうにおしゃべりしてるね…」
「でしょ?これじゃあ2人の仲に入っていけないよ…どうしよう…私はあの子にはかなわないのかな…」
乙葉はその言葉にむっとした。
「乙女!今日は私と一緒にお弁当食べよ!それで恋の事もじっくり話そ!」
「あ、う、うん…」
乙女は乙葉にぐいぐいと引っ張っていった。
乙女はちょっと複雑な気持ちだった。