ストロング・マン



「ちょ、なにすんのよ。」


「いいから、黙って。」


そう言って遠慮なく押し付けられた唇。エレベーターの中でいつ止まるかもわからない状況だってのに、すごく濃厚なキスをしてきた。

一度離れたと思うと、修也のドアップが私の瞳に映る。私の顔のそばに手をつかれ、完全に逃げ場はない。




「言っとくけど、俺、もう逃がす気ないよ?」




それだけ言ってまた塞がれた唇。なんだ、さっきのですっかり心配になっているらしい。こんなかわいい一面があることも最近分かってきて、愛おしいなあと心から思う。
私は逃げないよってことをアピールするために、修也の背中に両手を回す。さっきまで誰がくるか分からないとか思っていたくせに、私ってば何をやってるんだろう。





でもね、こうやって人目も気にせずぐいぐいくるようなSっ気あるところにも、結構惚れちゃってるんだよ。
なんて、恥ずかしくて直接は言えないけど。


やめて欲しくなくて、背中に回した両手にさらに力を込めた。








fin