「2次会はこんな形式でしたいと思っているの。お店は任せてもいいかな?」


「それなら少しだけだけど、ピックアップしてきてはいるよ。」


「さすが、ちょっと見せてよ。」


私と修也はせっかく2人に会える機会を有効に使いたいと思い、事前にいくつかお店をピックアップしてきておいていた。2次会の形式も奈美のことだしそんなに畏まった所でやらないだろうと読んでいたが、ビンゴだったみたいだ。


「ここ、いいんじゃないか?」


「わあ、ここ素敵!ここにしようか!」


前もって調べてきた斐もあり、スムーズに話が進み、お店と2次会で何を催すかまで決めることが出来た。あとは細々とした準備をこっちでやれば問題なさそうだ。

それにしても、



「旦那さん、さすが奈美の好み分かってますね。一発で奈美が良さそうなのをこの候補の中から見つけるなんて。」


さっき旦那さんは私たちが持ってきた資料に先にさっと目を通し、その中で奈美の好みの場所をすぐに見つけたのだ。私はその速さにもそうだけれど、奈美の好みを熟知していてさすがだなと思ったのだ。


「これくらい、すぐ分かるよ。」


そう言ってにこりと笑う旦那さんの瞳は、未だに優しそうではあるんだけれど、なぜか鋭さがあるように感じ取られて。


なるほど、この旦那さんは見かけによらずかなりの切れ者らしい。