ストロング・マン



「どうぞ。」


「お邪魔します。ふーん、意外と綺麗じゃん。」


ほんといちいち失礼な奴。修也の戯言はスルーするとして、自分から誘った(ことになるよね?)くせに、自分の部屋に修也がいることが不思議でならなかった。本当に付き合ってるんだなあなんて、こっそり実感沸いたりしちゃってます。

麦茶を出して、それぞれクッションに座って一息ついた時だった。


「郁さ、いつもああやって彼氏家に呼んでたの?」


ちょっと機嫌悪そうにこっちを見てくる修也。これってもしかして、


「修也、ヤキモチ?」


にやっと口角を上げて修也に聞いてみるとばつが悪そうにふいとそっぽを向いた。本当にヤキモチを妬いているみたい。こんな修也見るの初めてだ。なんかかわいい。


「いたっ!」


「郁、今なにかよからぬこと考えてただろ。にやにやしすぎ。」


自分が予想していた以上ににやけていたようで、修也に一発もらってしまった。叩かれた頭をさすりながら、


「だってさ、修也でもヤキモチ妬くんだなあって思ったらなんか嬉しくて。」


「ヤキモチくらい妬くわ。

・・・郁は妬かないのかよ?」


そう考えて思い返してみると、今までの元カレの時は妬いたりしたことはなかったけど、修也に元カノいるのかなって考えた時は若干もやっとしたような?これヤキモチでいいのかな?


「この間奈美と修也って元カノいるのかなって話になって、その時は少しもやっとしたかな?」


「なんで疑問形。







ふーん、でも。気になる?」


ニヤリと笑ってこちらを見る修也の顔を見て、しまったと思った。