久しぶりにゆっくりと過ごせそうな土曜の午後、尚とドライブデートに訪れていた。

私はシステムエンジニアで、システムエンジニアにとってのんびりとした週末は割と稀だったりする。
特に私が参画しているプロジェクトは地方銀行を相手にしているため、メンテナンス等を行うのは決まって銀行が取引していない土日だ。
内容によっては土曜の夜中、なんていう土日の休みがあってないような時もある。
だが今週はメンテナンス作業がないため、兼ねてから約束していた通り、尚とデートをすることが出来た。

ちらりと横を見ると、すっと鼻筋の通った綺麗な横顔が目に入る。
尚はいわゆるイケメン、という部類に入る人物だ。
大学時代の先輩で年は1つ上。少し背が低いところがもったいないが、在学中からかっこいいけど近寄りがたくない、いい先輩という評判だった。いわゆるワンコ系というのかな?
私は同じ研究室だったためよく羨ましがられたものだ。

社会人になり、友達に誘われていった飲み会で偶然再会し、そこからお付き合いするようになった。
かれこれ付き合って1年半になる。私の中では長い方の付き合いだ。
今では考えていることや趣味を知り尽くしているため、今日出かけることが出来てすごく嬉しそうにしているのが横目で見てもわかる。

「今日は晴れて良かったよ。絶好のドライブ日和だね。」

にこっという効果音が聞こえてくるくらいのまぶしい笑顔に思わず顔が綻ぶ。

「ほんとだねー」