ストロング・マン




朝の9時頃家の最寄り駅に着き、ヨロヨロとした足取りで家に向かう。
駅に向かう人の波のピークはおさまっていたが、まだ少ない時間ではないため、朝なのにボロボロの自分が少し恥ずかしい。でも急いで家に向かえるほど体力も残っていない。

なんとか家までたどり着くと、真っ先にお風呂場へ向かった。
一刻も早く疲れを洗い流してしまいたかった。
熱いお湯を頭から浴びると少しすっきりする。

やーっと1日が終わったなあ。
普通の人はこれから始まるんだけどね。

昼夜逆転生活を送っているうちに5歳くらい老けた気がするよ、ほんと。



そんなことを考えながら上がり、部屋着のスウェットに着替える。
女子っぽいかわいい部屋着でも着れればいいのだが、自分の性格にそぐわない気がしてなんだか着ることが出来ずにいる。


今日のご飯は昨日の残り物とビールでいっか。
冷蔵庫から昨日作りすぎた麻婆豆腐とナムルとキンキンに冷えた缶ビールを取り出して、プルタブをぷしゅっと開けた。
この音を聞くだけで、疲れが抜けていく気がするから不思議だ。



朝のテレビ番組を見ながらふと、横に置いていたスマホを見てみると通知ランプが光っていた。
きっと、尚からだろうな。


開いてみると予想通り、尚からの連絡だった。




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三日目お疲れ様。
大丈夫?
落ち着いたら連絡してね。




スマホを持ったまま背後にあるベッドに背中だけ倒れこむ。


んー、大丈夫ってわけではないんだけど、連絡する気力がないんだよなあ・・・





結局すぐには返信せずに、晩酌?を済ませてすぐに布団に入った。
カーテンを閉めていても光が入ってくるため、なかなか寝れなくて、早く普通の生活に戻りたいと思った。