私の家はごくごく普通の1Kのアパートだ。
ただ、キッチンスペースが広くて、1Kだけど1DKくらいあるところが気に入ってここに住んでいる。
会社の昼休みに寝たりと女子力あるの?と思われがちだが、家事をやる能力くらいはあるし、料理にはなかなか自信がある。
お弁当が手抜きなのは、単に朝起きるのが辛いだけだ。
家に着いてからのんびりして、交互にお風呂に入った後布団に入った。
付き合っていればもちろんそういう流れになるもので。
セックスには性格が出ると言われているけれど、本当にそうだと思う。
尚は性格だけでなく、こっちもとことん優しいし、丁寧だ。
…若干不満を感じる程に丁寧すぎるのだ。
なんかこう、もうそこはいいから、みたいに思っても、そんなこと言ったらムードぶち壊しだし、と思って毎回堪える。
毎回こんなことを繰り返しているうちに、この行為自体があまり好きではなくなっていた。
尚のことが嫌いなわけではない。ただ、不満があって、それを言えていないだけ。
言えてない自分が悪いだけ。尚はいい人なんだから。
自分自身に言い聞かせて、果てた尚を抱き締めた。


