「きぃ、なんかいいことあった?」 中庭のベンチで弁当を食べているときだった。 今まさにミニトマトを食べようとした顔のまま愛弓を見る。 「へ?」 あぁ、今のあたし絶対間抜けな顔してる。 「別にないけど」 嘘とか話したくないとかじゃない。 本当に思い浮かばなかっただけ。 「本当にー?」 「うん?」 何だその顔。 ニヤニヤつーかニタニタ? とにかく気持ち悪い。 そういえばあいつも昨日そんな顔してたな。 そう思ったらちょっとだけ笑えた。