あたしよりもずっと大きな手であたしの手を包み込む。 ぎゅっと強く、でも優しくて涙が出そうになった。 あたしそんなキャラじゃない。 「‥‥寒い」 だから素っ気なく呟いた。 あいつはちょっと慌てる。 「そうだよね。ごめん。じゃあ早くいこっか」 やっぱりニコニコ。 こいつは泣いたりするんだろうか。 ちょっとだけ疑問に思った。