昨日は気づかなかったけど、
何年も使われていなかったこの部屋は大分汚れていた。
この部屋に入れば必ずいたお姉ちゃんも今はいなくて、
なんだか寂しいという感情が心の中に流れこんできた。
お母さんもそう感じたのか、
お姉ちゃんが使っていたベットを見つめる目が少しだけ暗かった。
お姉ちゃんの部屋にはベットと本棚しかなくて、
基本的に片付けるものはない。
ただ、お姉ちゃんが死んだ年のカレンダーがそのままだったり。
電池がなくなったのか、
時を刻まなくなった時計がそのまま壁にかかっていたりした。
きっとこの部屋は時間が止まったままだったんだろう。


