「俺がしたくてしただけだからね」


靴を履いて、玄関の扉に手をかけたときふいに言った。


「え?」


「今日のことは俺がしたくてしただけだからね」


「うん?」


言ってる意味がわかんない。


「だから悪かったなとか思わなくていいんだからね」


あぁ、なんでわかったんだろう。



「俺、響ちゃんのことならなんでもわかるんだからね」


「そっか、ありがと」



よしって呟いて玄関の扉をあけた。


開けた扉から冷たい風が吹いてきて、

あぁもうすぐ冬が来るんだなって思った。