首だけで後ろを振り返るとあいつが優しく笑ってくれていた。
だからあたしも笑い返した。
「お母さん、あたしねお母さんもお姉ちゃんも大好きだったんだ」
「今もね、大好きだよ」
そこまで言うと、お母さんの顔を上げさせる。
「だからね、笑って?あたしお母さんの笑顔、大好きだよ」
そうしたら、うんうんって言って、
真っ赤な目をした顔をおもいっきり崩して笑ってくれた。
「ありがとう」
お母さんがそう言ってくれただけであたしは十分だった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…