首だけで後ろを振り返るとあいつが優しく笑ってくれていた。


だからあたしも笑い返した。



「お母さん、あたしねお母さんもお姉ちゃんも大好きだったんだ」


「今もね、大好きだよ」




そこまで言うと、お母さんの顔を上げさせる。


「だからね、笑って?あたしお母さんの笑顔、大好きだよ」



そうしたら、うんうんって言って、

真っ赤な目をした顔をおもいっきり崩して笑ってくれた。




「ありがとう」


お母さんがそう言ってくれただけであたしは十分だった。