昔から体が弱くて、11歳でこの世を去ったお姉ちゃん。
大好きだったお姉ちゃん。
「きぃ、おいで」
そう言ってあたしの頭を撫でてくれた。
体が弱かったお姉ちゃんばかりを気にしていたお母さんは、
あたしがどんなにテストで100点をとっても、
かけっこで一位になっても
「お姉ちゃんは学校にも行けないのに、走ることも出来ないのに、よくそんなものが見せられるわね」
そう言ってあたしを叱って叩いた。
「頑張ったね」
そう言って頭を撫でてほしかっただけなの。
いつもはお姉ちゃんのことばかりでも、
そのときだけは、わずかな時間だけあたしを見ていてくれたら、
それで十分だったんだ。


