『お前…。せっかく起こしてやったのに…ビンタはねぇだろ!?』


少し赤く腫れた右の頬を押さえながらヒロが叫んだ。

「だって!!ヒロが悪いんだよ!?朝から脅して!!顔近いし!!」


私も負けじと叫んだ。


『たくっ。早く用意しねぇと遅れるぞ?この仕返しは稽古の時にびっしり部長様がつけてやる。』


また意地悪な顔して、部屋から出て行った。


「い"や"だ〜!!ゴメンなさい〜!!」


ヒロには届かぬその声は、私の部屋ではかなく散った。


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