「立花の席はそうだな・・・、学級委員の後ろにしよう。金城!」

「あ、はい!」

“金城”というらしい短髪で背の高い男子が立ち上がった。


“あいつの後ろに座ってくれ。”と先生に言われ僕は席につくと、金城が振り返りぼくに話し掛けてきた。


「おれ、このクラスの学級委員の金城一平。わかんないことがあればなんでも聞いてな。」

「あ、うん、ありがとう。よろしく!」


――金城くんやさっきの金髪のボス、それに担任の先生まで・・・どこか暖かい雰囲気を持っており、僕は安心した。


このクラスならやっていけそうな気がする。



―――以前のような“あんなこと”にはきっと・・・ならないだろう。


「あ、そうだ立花。」

先生が思い出したかのように僕の名前を呼んだ。

「悪いが新しい教科書とかは明日届くんでな、隣の席のやつに見せてもらってくれ。」

「あ、はい。」


話の流れで隣の席を見ると、一瞬眼を疑う程とてつもなく可愛い女の子がそこに座っていた。

色白な肌に
黒く長いサラサラした髪。

そして黒目の大きい二重瞼の眼。

失礼かもしれないけどまるで黒猫のような可憐さで。


――なんかたかだか教科書借りるだけなのにドキドキすんなぁ・・・。