目をさましたときは



まだ車の中だった。



しばらく頭の中が重たくて



視界がかすむ感じがしながら



流れる景色を見た。



道の両側は



背の高い木が続いていて



とても緑が濃い。




道はゆるやかな上り坂である。



右に左にカーブしながら



ずいぶん登ったと思ったら



両脇の緑が開けて



気が付いたときには



大きな庭園のようなところを



走っていた。




サヤカちゃんは



おれのいる反対側のドアに



よりかかるようにして眠っていた。



そのうち車は



鉄格子の門の前にいて



両開きの門が自動的に開いていく。




ここがサヤカちゃんの家だというのか?